UJIEN ― マスターカラーの明るさ・鮮やかさ

ブルーボトルの数値に
合わせたら、どうなるか

計算して並べました。結論から言うと、数値を合わせても同じ強さにはなりません。
理由が2つ見つかり、どちらも重要でした。

01まず、ブルーボトルの数値

明るさ L*鮮やかさ C*白地コントラスト
ブルーボトルの青#00a9e064.841.42.72
宇治園 K40#5c6a2e42.435.05.91
宇治園 K60#47532633.327.78.29

たしかにブルーボトルのほうが明るく、鮮やかです。ここまではご指摘のとおりでした。

02🚨 理由1 ― 同じ数値でも、青と緑では意味が違います

色には「その色みで出せる限界」があり、限界の高さが色みごとに違います。

ブルーボトルの青L*64.8 の青の限界=41.5
100%
同じ数値の緑L*64.8 の緑の限界=73.5
56%
ブルーボトルの青は、青が出せる限界いっぱい(100%)まで使っています。
ところが同じ数値の緑は、緑が出せる限界の 56% しか使っていません。緑はもっと鮮やかになれる色みだからです。
だから「数値を合わせた緑」は、くすんで見えます。下で実物をお見せします。

03実物で並べる

同じ宇マークで、大・中・小の3サイズです。

ブルーボトルの青(参考)#00a9e0 L* 64.8/C* 41.4/限界の100%
A ― BBと同じ数値の緑#96a458 L* 64.8/C* 41.2/限界の56%
🚨 くすんだ枯草色になります
B ― BBと同じ「限界いっぱい」の緑#88a900 L* 64.8/C* 73.3/限界の100%
🚨 画面でしか出せません(下記)
C ― 印刷できる範囲でいちばん明るく鮮やか#839a2f L* 60.0/C* 56/白地CR 3.17
D ― 文字にも使える範囲でいちばん鮮やか#6e7e2f L* 50.0/C* 44/白地CR 4.48
現行 K40#5c6a2e L* 42.4/C* 35.0/白地CR 5.91
現行 K60#475326 L* 33.3/C* 27.7/白地CR 8.29
参考: 抹茶館#7a9e2b L* 60.6/C* 60.4
実在する明るい抹茶グリーン

🚨 A(BBと同じ数値)を見てください。明るくはなりましたが鮮やかさが足りず、枯れた草の色に見えます。数値を合わせても同じ効果にならないのは、これが理由です。

ベタ面で見る

ブルーボトル#00a9e0
A 同じ数値#96a458
B 限界いっぱい#88a900
C 印刷の上限#839a2f
D 文字も可#6e7e2f
現行 K40#5c6a2e
現行 K60#475326

04🚨 理由2 ― 鮮やかな緑は、印刷できません

これがいちばん効きます。画面で作った色を CMYK に変換して、また画面へ戻す往復で確かめました。

候補画面での色刷ったときの色ずれ
A ― BBと同じ数値#96a458#97a25c3.2刷れる
現行 K40#5c6a2e#616d3b5.7刷れる
現行 K60#475326#4f59366.7刷れる
参考: 抹茶館#7a9e2b#7b9b3c8.5ぎりぎり
B ― 限界いっぱい#88a900#87a53815.8🚨 刷れない
最大鮮やか(L*50)#678000#6b813e21.5🚨 刷れない
最大鮮やか(L*42)#566c00#5c703c22.3🚨 刷れない
本当に鮮やかな緑は、CMYK では出せません。
画面で #566c00 のような冴えた緑を作っても、刷ると #5c703c という濁った緑になります。ずれは 22.3 ―― 別の色に見える水準です。
🚨 ブルーボトルは画面(アプリ・Web)が主戦場、宇治園は紙が主戦場。ここが決定的に違います。

印刷できる範囲での上限

明るさいちばん鮮やかな緑鮮やかさ C*白地CR使える範囲
L* 60#839a2f563.17ロゴのみ(文字は不可)
L* 55#798b33483.78ロゴのみ
L* 50#6e7e2f444.48文字にも使える
L* 42.4(現行K40)#5c6a2e355.91文字にも使える

いずれも「自然な茶の緑」の範囲(R/G 0.52〜0.88)を守り、印刷の往復ずれが 7 以下に収まるものです。

05まとめ

ご指摘のとおり、ブルーボトルの明るさ・鮮やかさには届きません。ただし理由は「宇治園の色が弱いから」ではありませんでした。
  1. 青と緑では「限界」が違います。ブルーボトルの青は青の限界いっぱい。同じ数値の緑は緑の限界の半分で、かえってくすみます
  2. 緑の限界いっぱいまで上げると、今度は印刷できません。CMYK は鮮やかな緑がとくに苦手です
  3. この2つに挟まれて、紙で使える緑には天井があります
もし明るくするなら、私の推奨は D #6e7e2f(L*50)です。
印刷でき、文字にも使え(白地4.48)、現行K40より鮮やかさが 35 → 44 に上がります。
🚨 ただし これは元データの「C60 M36 Y100 の K40/K60」という指定から外れます。創業時の指定を離れることになるので、そこは別の判断が要ります。
もう一つの道 ― 特色インキ。
CMYK で出せない鮮やかな緑も、特色(DIC / PANTONE)1色なら刷れます。名刺・紙袋・パッケージなど「ここぞ」というものだけ特色にすれば、画面と同じ冴えた緑が紙でも出せます。
🚨 特色は現物のカラーブックで選び直しが必要です(CMYK からの機械換算では合いません)。コストも上がります。